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メタリック糸で刺繍するためのヒントとコツ

メタリック糸を使用する際のヒントとコツ

メタリック糸を使った刺繍デザインを、完璧に作成するための手法をリストにしてご提供できればいいのですが、メタリック糸はとても扱いが難しく、考慮すべきポイントがたくさんあります。

今回は、WILCOMの刺繍の専門家たちに話を聞き、彼らが提供してくれたヒントやコツをまとめてみました。あなたがメタリック糸を使ったデザインを作る際の手助けになれば幸いです。

刺繍針

針のサイズは、刺繍糸のメーカーが推奨しているサイズのものを使用することをお勧めします。メーカーの推奨は信頼できる最良の指針だと思います。

刺繍機でステッチしている最中に、糸のほつれや破損が起きないよう、正しい布針が使用されていることを必ず確認してください。

Barbara Stuemer 

上糸のテンション

刺繍をする人の多くは、上糸のテンションを上げるとメタリック糸が切れると考え、テンションを緩めがちですが、私はその逆だと思います!メタリック糸は、一般的にレーヨンやポリエステル素材の糸よりも少し高いテンションが必要だと思います。これは私がメタリック糸を使った刺繍デザインを何度もデジタイズした経験から学んだ結論です。また、一つの推奨事項だけを取り入れるのではなく、他の調整も合わせて行い、それらと合わせて機能させることが重要だと思います。私の場合、上糸だけでなく、使用しているバルダン刺繍機の下糸のテンションも調整し、これらを連携して機能させる必要があります。

Barbara Stuemer

ボビンのテンション

多くの刺繍糸会社の推奨とは異なり、私はボビンのテンションを変更するしないことをお勧めします。ただし、ボビンのテンションをできるだけ低くします。テンションが弱すぎると糸が針から抜けてしまい、刺繍機はスタート直後に止まってしまいます。糸が針から抜けるときは、上糸の調子がキツすぎると思われますが、私の経験上、そうではありません。

Barbara Stuemer

すべてのメタリック糸は同じではない

今日、市場には多くの異なるメタリック糸があります。主にコアラップ(芯の部分がメタリックのホイルで包まれている糸)や、Madeira(マデイラ)のスーパーツイスト(繊維とホイルが一緒に撚られている糸)などがあります。WILCOMのデジタイザーとして活躍しているMai Hyunh氏は経験上、糸が滑らかであればあるほど、刺繍をする際のパフォーマンスが向上することに気付いたそうです。

またメタリック糸の種類によって、糸の太さも異なり、それぞれの調整の仕方も変わってきます。Barbara Stuemer氏の話では、例えば30ウェイトの刺繍糸は低いテンションで済みますが、12ウェイトの刺繍糸を使用する場合は強いテンションが必要になるそうです。

定評のある刺繍糸ブランド

メタリック糸を選択する際は、評判の良いブランドを使用することをお勧めします。またできれば必要に応じて新しく購入することが望ましいです。これは、古い金属製の糸は、環境要因により糸切れが起こりやすくなる可能性があるためです。

Kerry Meyers

デザインの密度

デジタイズされたデザインのステッチ密度は、すべての刺繍と同様に、糸の太さに応じて調整する必要があります。 また、メタリック糸を使う場合はデジタイズする時に極小のステッチは避けることをお勧めします。標準的な刺繍糸の場合の目安は、縫い目長さ 1 mm 以上です。 しかしツイスト系のメタリック糸を使う場合は、デザイン内の最小ステッチの長さは3mm 以上を保つ必要があります。また滑りの良いメタリック糸を使う場合は、最小 2mm の長さが可能です。これらのメタリック糸で上手くステッチできるようにするには、他の要因も一緒に機能するよう心を配る必要があります。

Barbara Stuemer

デジタイズ

可能であれば、メタリック糸に適した新しいデザインを一からデジタイズします。前の項目で推奨したように、非常に小さいステッチは避け、ツイスト系のメタリック糸で刺繍する場合は 3mm 以下の長さのステッチは避けるようにしてください。通常、デザインのステッチ密度は低く保ち、可能な場合はデザイン内に非常に鋭い角を作ることは避けるようにしてください。要約すると、メタリック糸を使った刺繍デザインを作成する際は、ステッチの長さは長めにし、密度は低くし、丸みのある形状を使用してデジタイズすることを意識してください。

Barbara Stuemer

スピード

多くの人は、刺繍機の速度を600~700rpmに下げることを推奨していますが、私の経験上テンションとデザイン作成時にメタリック糸を考慮してデジタイズされていれば、速度を下げる必要はありません。

Barbara Stuemer

刺繍糸用メッシュカバー

試してみる価値のあるもう一つのヒントは、メタリック糸のコーンの上にメッシュカバーを掛けて使用することです。メッシュカバーを掛けることで糸が均等にほどけ、糸のもつれやよじれが回避されます。また私の経験上、糸巻きはスプールよりもコーンのタイプの方が糸によじれが生じる可能性が低いです。

Mai Hyunh

保管方法

メタリック糸は極端な熱、光、冷気に近づけないように注意してください。これはすべての刺繍糸に当てはまりますが、特にメタリック糸に当てはまるので保管には注意が必要です。

Kerry Meyers

全般的

提案したすべての内容の真の目的は、デザインから製造まで全て、可能な限りメタリック糸の摩擦を減らすことに繋がっていると言えます。

テスト、テスト、テスト!

最後のヒントは、常にデザインをテストすることです。すべての推奨事項はそれぞれが相互関係の上に成り立っています。そのため、一部が上手く調整できても成功しない可能性があります。自分が納得のいくデザインができるまで、テストしましょう。

今回のブログの協力者であり WILCOMの刺繍専門家:

Barbara Stuemer氏、Mai Hyunh氏、Kerry Meyers氏

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