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A-B Emblem – NASAのエンブレムを手掛けるまで

アメリカでNASAのエンブレムを手掛けるA-B Emblem社が、彼らのビジネスの基盤にある歴史や哲学、ビジネスを成功させ持続可能なものにするためのアドバイスを共有してくれました。

これからビジネスを始める方、すでにビジネスをされている方も学ぶことがあるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。

御社のビジネスがどのように進化し、また成長してきたか教えていただけますか?

彼の父親と祖父はドイツのプラウエンという町でシフリレースの事業を経営していました。彼は短期間で才能のあるパターンメーカーとしての地位を確保しました。

その後、私の祖父は1929年に東ドイツから米国に移住しました。1941年にニュージャージー州ユニオンシティで始めたシフリレースの仕事も成功し、1960年には南部に移転することを決断しました。移転にはノースカロライナ州のウィーバービルが選ばれました。

私の祖父と父は多くの場所を見ました。彼らがウィーバービルに落ち着いた理由の一つは、町から彼らへ(税控除や譲歩など)何の提供もなかったことが、私の祖父へ良いアピールとなりました。祖父のモットーは「誰にも何も借りを作らない」であり、それが私達の経営哲学となりました。

90年代には、自分のお金を使うのは時代遅れだったので、経営がつまずくと、レバレッジを掛けられた競争相手に勝つことができました。1990年代初頭は、同社はウィーバービルでは大規模な企業となり、ピーク時には400人を雇用していました。1995年にはメキシコのプエブラにマキラドーラ*として自社工場を立ち上げました。2005年には中国の青島にも工場を開設しました。現在では私の父は半引退しており、私の義理の兄弟であるアンドリュー・ネーグルと私が共同でビジネスを管理&運営しています。

*マキラドーラとはメキシコと米国の国境地域住民の雇用安定のために作られた工業地域にて稼働している工場などを指す。特別な制度により輸出入に関税がかからず、安価に原料を輸入し製品を輸出できるメリットがある。

ビジネスのモットーまたは哲学は何ですか?

いくつかあります:

  • 誰にも何も借りない
  • すべてのステッチが重要….. これはISO認証のために重要なモットーであると、社員に伝えています。
  • タップ、タップ、タップ….. これは問題を特定せずに修正しようとして、結果的に大破させることを意味しています。
  • ヘリコプターが上を向く….. これは戦略的な計画やビジョンについて話し合う時、雑草から抜け出し、高い場所から目を向けることを意味しています。
  • 神の御業でなければ、データを示されてこそ信じるに足りる

どのブランドの刺しゅう機を、何台お使いですか?

多頭機で69台、全部で1455ヘッドとなります。各マシンは20ヘッドまたは24ヘッドです。ブランドはタジマとSWFです。Tajimaをまず導入し、後にSWFを追加するようになりました。

従業員の人数と、彼らの役割はそのようなものでしょうか?

従業員は、米国のノースカロライナ州、ウィーバービルの本社に104人、メキシコのプエブラに110人、そして中国の青島に94人います。

3つのエリア、すべてに管理チームとデザインチームがいます。そしてウィーバービルとメキシコには営業チームもいます。

どのようにして持続性を可能にし、環境にも配慮していますか?

通常のリサイクル品やプラスチックのコーンをリサイクルしています。また、ウィーバービルには屋根に250キロワットのソーラーパネルを取り付け、使用する電力の二分の一を相殺できるようにしています。

私達はCPSIA(米国消費者製品安全委員会)に準拠していますので、どの製品にも鉛やフタル酸エステルは含まれていません。

どのようにビジネスが効率的、かつ高い生産性で確実に実行されるようにしていますか?

各コスト・センター(原価中心点)を継続的に測定しています。当社のマネージャーたちは毎月達成しなければならない数字を理解しています。

四半期ごとに彼らと一緒にパフォーマンスの見直しを行っています。数字は隠すことはできませんので、私たちは可能な限りの多くの情報を共有します。これにより、各マネージャーは自分が何の担当であるのか十分に理解しています。

私たちの工場のプロセスは、枚単価で支払われることになっています。全ての製造の注文は、配送要件ごとに作業の流れを調整する製造現場管理ツールに入力するようになっています。

また、当社はとても堅個なISOプログラムを導入し、全ての重要なKPI(重要業績評価指標)を監視できるようにしています。

WilcomのEmbroideryStudioをどのくらい使用していますか?

Wilcomのソフトウェアは非常に早い時期から使用しています。初期のバージョン3(?)くらいから使い始めたかもしれません。

1985年、私がまだ19歳の時にオーストラリアのシドニーに行きました。そして、Arcade BadgeというWilcomの元子会社で働きました。イゴール・クラインやポングラス一家と素晴らしい時間を過ごすことができました。Wilcomのソフトウェアが作られた、プログラマー・ルームのことを今でも覚えています。

この時点で、A-B Emblem はまだPlauen社のパントグラフ・パンチング機を使用していました。私は祖父からデザインとパンチの方法を学びました。80年代後半に、私たちは独自のパンチングシステムを作ることに決めました。それはとても上手くできました。大きなボードとパントグラフを使い、音声起動機能までありましたので、パンチャーはパントグラフから手を話す必要がありませんでした。これらのパンチング機を3台、頻繁に使用していましたが、時代の流れで手動パンチが廃止されたため、これらを放棄することになりました。その後、私たちのデザイン部門は鉛筆と上質羊皮紙から、PCの運営に移りました。

どのようにしてNASAへエンブレムの提供を始めましたか?

1961年、祖父のE.ヘンリーコンラッドがNASAと協力してその頃できたNASAの新しいロゴを使った最初の刺繍エンブレム(別名「ミートボール」)を作成しました。

そして1971年以降、A-B Emblemは宇宙飛行士事務所と独占サプライヤーとして契約を結んでいます。NASAに販売されるミッションおよび遠征用の全てのエンブレムを当社で作成しています。

刺繍ビジネスを運営している他のオーナーにできるヒントまたはアドバイスはありますか?

会社のマネージャーが具体的に何を担当しているかを、彼ら自身に確実に理解させる必要があります。これは基本的なことですが、見過ごされることがよくあります。

会社は、彼らがどのような成果を達成することを期待されているのかを十分に理解させ、それを達成するために必要な最良のツールを与えて手助けをしなければなりません。もし(私のように)これが習慣化されていない場合は、打ち合わせの予定をカレンダーに入れて、強制的に会議で話し合うようにします。また主要なパフォーマンスに関するデータは透明性を保つ必要があると思います。

刺繍に関して言えば、あなたのデジタイザーが正しい量のステッチ数を使用する方法を知っているか確認して下さい。ステッチ、糸切り、色変更などがたくさん入ったデザインを作ることは簡単ですが、多ければそれだけ時間もコストも掛かってしまいます。また人間工学にも注意を払いましょう。論理的な方法に基づいて計算されたデザインは、少ない労力で全体の効率を向上させることに繋がります。

A-B Emblem も使用しているEmbroideryStudioを使って刺繍ビジネスをより効率的かつ生産性を向上させませんか?詳しくは、お近くのウィルコム販売店、またはWilcomまでお気軽にお問い合わせください。

EmbroideryStudio e4.5について詳しくは、お近くのWilcom販売店またはWilcomお問い合わせフォームにご記入の上、ご連絡ください。